プロの絵師は羨ましい。毎日ずっと絵を描いているだけでお金が貰えるなんて最高じゃん。
わたしもそう思っていた頃がありましたが、それは幻想です。
「毎日ずっと絵を描いているだけでお金がもらえるなんて羨ましい」という考えだけでプロになると、後悔します。
結論を先に言うと、本気でプロになりたい方以外は、プロにならず自分の描きたい絵を極める方が幸せになれます。
ちなみに、わたしは現在ただの趣味絵描き。過去に絵の仕事をした経験があるだけです。
・底辺からpixivフォロワー3万人になった筆者のプロフィールはこちら
Contents
絵の仕事を受けたきっかけと結果
pixivをやっていれば絵の仕事はくる
わたしはプロになるつもりで絵を始めたわけではありません。仕事を受けたきっかけはpixivです。
pixivに絵を投稿すると、突然メッセージで仕事の依頼が届くことがあります。特にランキング上位に載った時。
初めて仕事をもらえたのはpixivをはじめて1~2年頃だったと思います。
漫画出版社、ソーシャルゲームを出しているゲーム会社、中には有名な作品を出しているところからもきました。ずっと絵を描くだけで生活できるのでは?これはチャンスでは?と思い、喜んで引き受けました。
プロの絵師になれても全然幸せじゃなかった
仕事をした結果わかったのは、わたしは絵を仕事にしたくないということ。
プロになればずっと絵を描いて生活できる、それが幸せだと思っていたのは幻想でした。それがわかってから依頼を受けるのを一切辞めました。
絵を描くだけで確かにお金はもらえましたが、もうやりたいとは思えませんでした。
「プロ絵師になって絵を描いて生活できるのが幸せ」ではない理由
お金や実力の問題ではない
先に書いておくと、以下のような理由ではありません。
- 「プロになっても仕事がこなくなったら終わりで、不安定だから?」
- 「下手だから無理?」
本当にやりたければ、稼ぎが不安定でも副業と組み合わせるなどいくらでも方法はあります。そして、下手でもプロにはなれます。初めて仕事を受けた頃、今よりはるかに下手でしたから。
プロになって生計を立てる方法も、プロになる入り口もたくさんあるけど、本気でなりたい人以外はならない方がいい。
理由は単純で、描くのが苦痛すぎたからです。
絵を描いて生活するのは、クライアントとのやりとりが苦痛
仕事を受けたクライアントと、メールやスカイプ、電話などで打ち合わせします。「ジト目でツンデレな女の子」「年齢は何歳、仮名は○○」「(資料を載せて)この制服で」などの指定を元に、自分でイメージをして、ラフを描いて提出します。
ラフを見せてokが出るまでリテイク、okが出れば描き進めます。完成したらまた提出し、okが出るまでリテイクの繰り返し。
例えば誰かにLINEやメールで大事なことを話した時、返事が返ってくるまで不安な気持ちを感じると思います。
それと同じように絵を提出して返事が返ってくるまでの気持ちは、あやふやで不安定で、あるいは心に重いものがのしかかった感じで、嫌なものでした。
納期があるので、うまくいかなくてもどうにか形にしなければいけません。納得いくまで提出しないわけにはいきませんから、納得のいかない完成度で出さなきゃいけないことも。
早く返事が欲しいけど、返事を聞くのは怖い。
この気持ちを提出のたびに毎回味わうだけでも十分苦痛でした。
プロの仕事を想像すると「絵を描いている姿」ばかり浮かびますが、こういった精神的ストレスも強く抱えます。
pixivに投稿して爆死する方がずっとマシかもな
それは爆死しすぎて慣れただけかも
絵を描いて生活するのは、描きたくないものを描くのが苦痛
人に求められた通りの絵を描かなければいけないことがこんなに苦痛だというのを思い知りました。
絵って人に見せるために描くのでは?と思うかもしれません。しかしわたしが絵を始めた理由は、好きなキャラクターの絵を増やしたい、要は自分の見たいものを描くためでした。描きたくないものは描いたことがなかったんです。
クライアントの要求する絵が描けるのがプロ
最後に引き受けた仕事でこんなことがありました。
ラフを提出したら、「○○という作品に似ているので××という作品の絵柄に似せてください」とのこと。
(゚д゚)???
言われたとおり絵柄を変えて描いてみても苦痛しかありません。
自分が描く必要あるのか?こんなの描くくらいなら、絵なんかやめたい。絵柄を変えなきゃいけないなら、なぜわたしに頼んだのか?と疑問に思いましたが…
クライアントの要求する絵が描ける。それがプロだということなんですよね。
そのことに気づき、仕事を一切受けないことに決めました。
こだわりとか個性のある絵は、趣味だと武器になりますが、仕事で描くなら逆に邪魔になることがあります。詳しくはこだわりを持つ絵描きは強い。ファンを作る方法【誰でも簡単】で解説しています。
プロにならなくたって絵を描いて生活する方法はある
そもそも、プロとして仕事をもらって絵を描く以外に、毎日ずっと絵を描いて生活する方法はないのでしょうか?
いいえ、たくさんあります。
インターネットで誰でも、誰に会わなくても絵を公開できるこの時代です。
「プロにならなければ上達しても意味がない」と考える方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。絵を描くのは、ネット上でいくらでも使えるスキルです。
オリジナルが描ける人が稼ぐ方法
オリジナルが描ける人は、同人誌やpixiv fanbox、ダウンロードサイトなどで稼ぐ方法だってあります。今の時代、上手に集客さえできれば好きなものを描くだけで生活できるんです。
・「SKIMA」「ココナラ」などのサイトで、自分の描きたい絵だけに限定した依頼で稼ぐ方法だってあります。
イラストオーダーサービス【SKIMA】コミッション モノを売らないフリーマーケット【ココナラ】二次創作しか描かない人が稼ぐ方法
また、二次創作しか描けない人は、描くノウハウをブログやyoutubeなどで公開しお金を稼げば、うまくやれば本業の時間を減らし趣味で描く時間をたくさん作れます。
自分がプロを目指すべきかわからない人は、一度体験してみるべき
プロにはならなかったが、仕事は経験できてよかった
絵の仕事を経験できたことで、プロを羨むこともなく趣味でお絵描きライフを謳歌しています。
わたしはサラリーマンで安定な生活をしながらネット上で好きな絵を公開する方が、純粋に絵を楽しめます。
プロを目指してはいないけど「プロはいいなあ」と少しでも思う人は、もし仕事のチャンスがきたら、期待はせずに一度お試しを。「プロはいいなあ」という気持ちが消えます。
「SKIMA」や「ココナラ」を使えば、フリーランスの絵師の体験ができる
プロになって絵を描くとはどういうことか、自分に向いてるかどうかなどを誰でも体験できる方法があります。
「SKIMA」や「ココナラ」で出品したり購入すれば、プロと同じように絵の依頼~納品までの流れを経験できますよ。
出品者がどんな条件を出しているか、相場がいくらかなど、見ているだけでも勉強になります。
詳しくは下の記事で解説しています。
まとめ:「プロ絵師は絵を描いて生活できて幸せ」は幻想。よく考えてから進むべき
もちろんプロになることでしか味わえない良い面もあると思いますが、「プロとして絵を描くとはどういうことなのか」は先に知った上で目指した方がいいということです。
少なくとも、「絵をずっと描いているだけで生活できるのが羨ましい」というだけの考えでは目指さないのが賢明です。
プロの人が、「仕事の息抜き」と言って絵を描いている姿をよく見ませんか?
仕事も絵やんwwって突っ込みたくなりますが、わたしも絵の仕事をしていた時、息抜きに絵を描くということを自然にしてしまい、「ハッ!これか!∑(゚Д゚)」となりました。それだけ趣味絵と仕事絵は違うということです。
プロは大衆受けする絵や、いろんなものが描ける必要がありますが、趣味だと自分の好きなものだけ集中して極めるも自由です。
ストライクゾーンが狭い、好きなものしか描けないわたしのような人は趣味で描く方がいいですが、いろんなものに興味が持てる人ほどプロに向いているのではないでしょうか。
「プロレベルに上達するにはいろんなものが描けなきゃいけない」と思って嫌々やりたくない練習をしなくても、「自分の描きたいものが思うように描ければそれで十分。趣味だもの。」そう考えながら楽しく続けてみるのは、どうでしょう。
描きたいものを描いて、最速で上手くなる方法まとめはこちら↓