好きな絵師の模写したり真似して描くのって、パクリにならないの?
模写をして自分の個性が消えたらどうしよう
こんな疑問に答えます。
結論から言うと、好きな絵師の真似はどんどんするべき。ただし注意はあります。
この記事を書くわたしには底辺時代から惚れこんでいる絵師さんがいます。言い切りますが、好きな絵師さん達の真似をしたからこそ上達できました。
好きな絵師の真似をするべき理由
好きな絵師の真似をすれば、ゴールが明確になる
好きな絵師の描く絵というのは、自分の「こんな絵描きたい!」を具現化してくれているようなもの。
自分のゴールに限りなく近い存在です。
特定の絵師に惚れこんでいればいるほど上達に有利で、「こんな絵描きたい!」という強いモチベーションを生みます。
ゴールが見えない状態で走り出しても、どこに向かって走ればいいのかわかりません。好きな絵師の絵がゴールになれば、そこに向かって最短距離で道を選ぼうとするので上達が早くなります。
注意:好きな絵師の真似=絵を真似することではない
✔これはパクリ
- ✖他人の絵とそっくりの絵を描いて作品として公開
- ✖他人の絵の一部をトレースして別の絵に変える
上記のことは絶対やってはいけません。パクリにあたります。
しかし矛盾するようですが、好きな絵師の真似はどんどんするべきです。
✖好きな絵師の真似=絵を真似する
というのはよくある勘違いです。
正しくは
✔︎好きな絵師の真似=思考を真似する
“なぜその絵をそう描くのか?”その思考をパクって絵を描く
自分がその人になってその人の新作を描くかのように絵を描くのがコツです。
自分の中に新しい思考を取り入れ、自分の描きたい絵を描く。同じ絵を描こうとしない限り完全に別の作品ができるので、パクリになりようがないです。
思考を読む方法として、わたしは以下のようなことをやっていました。
- 好きな絵師の絵を模写、観察、分析し「こういう考えで描いているのだろう」と仮説を立てる
- 好きな絵師のTwitterやpixivでの発言を舐めるように読んで仮説が正しいか常に検証
- 絵師本人と仲良くなって本人を知る
好きな絵師の模写をすることで思考を読み取れる
模写は、そっくりそのまま描いて終わりでは意味がありません。
模写の意味は「どうしてこの線を描くのだろう」「どうしてここにこの色を置いたのだろう」「顔のパーツの比率はどうなっている?」などと、絵を深く観察、分析し思考を読み取ることにあります。
例えば、「この人の絵柄はどうしてこんなに可愛いんだろう」と思ったら、
- 模写しながら顔や身体の比率を測る。
- 「顔のパーツは頭頂から目までが1:1で、6等身になっている」と気づいたら、「これが可愛い理由だ」と仮説を立てる。
- (その絵師さんが顔のパーツや等身についてつぶやいていないか、常にアンテナを立てつつ)その比率で自分も描いてみて、可愛くなるか検証する。
- 検証の結果、可愛くなったらそのやり方を取り入れて本番の絵を描いてみる。分析不足とわかったら、更に細かくパーツを分析。
こんな感じで、「ここがこうだからいいのだろう」と仮説を立てる→やってみる→答え合わせ、の繰り返しです。
そして↓の記事で書いたように、模写は何も考えずやっても全く意味がないので注意。
好きな絵師の模写をしても個性は消えない
模写で自分の個性がなくなるのでは?と心配する必要もゼロ。
個性というのは模写した程度で消えるものではないです。たくさん絵を真似して描いても残るものがあなたの個性。
詳しくはこちらの絵柄を変えるには「理想の絵柄そっくりにする」が最強な理由でも解説しています。
好きな絵師と仲良くなることが最強の真似である理由
好きな絵師の存在が強いモチベーションになる
その人が自分の絵を見てくれるのを夢見て描くと強いモチベーションになります。
わたしは好きな絵師さん(神絵師と言われるレベルの人)に絵を見てもらえるのを夢見ながらこっそりアプローチしていました。新作の絵を見たら感想を送り、素直に控え目に褒めました。
上達するうちに見てもらえ、絵の感想ももらえる仲になれました。
・好きな絵師に嫉妬するのも、つらいけど強いモチベーションになります。
好きな絵師の思考をダイレクトに知れる
憧れの絵師さんの絵に対する考え方や人格もダイレクトに知ることができ、自分の絵に対する考え方に大きく影響します。
「絵が上手い人ってこんなこと考えて描いているんだな」ということを、知っているか知っていないか。この差はでかいです。
例えば「絵の練習をしても上手くならないと悩む人は、練習をやめるべき。」で書いた内容も、絵が上手い人の思考がわかるからこそ書けたわけです。
「やると絵を描きたくなる意外な方法」で書いた内容も好きな絵師から学んだこと。
絵の上手い人の思考をもっと知りたい方向けの書籍もあるので、↓に貼っておきます。
絵の上手い人は絵の上手い人と仲良くなる
- イケメンはイケメン同士仲良くなる
- オタクはオタク同士仲良くなる
それと同じで絵の上手い人は絵の上手い人と仲良くなります。
絵の上手い人と仲がいい自分になれる頃には、絵の上手い人の思考が理解できています。
好きな絵師と仲良くなる方法
神絵師に自分みたいな底辺が絡むなんて気が引ける・・・
ところが、絵の上手さは関係ないです。結局は人と人同士ですから、当人同士がしたければ成り立ちます。相手への気遣いや礼儀を持って接すればOK。
むしろ「自分の作品への感想」を絵師はたくさん知りたいもので、素直な感想は喜んでもらえる可能性大。
まずは好きな絵師をパクれる限りパクる
絵の上手さは関係ないとは言え、やはり気が引けるもの。まずはこうしましょう。
- 好きな絵師の模写、Twitterやpixivの観察を徹底し、思考をパクれるだけパクり続ける
- その人に絵を見てもらえることを目標に絵の投稿を続ける
えっ、自分なんかの絵見てもらえるなんて無理じゃない?
その絵師さんが同ジャンルを描く人なら、そのタグで絵を検索するはずだから意外と目に触れるチャンスはあるよ!
絵師が言われて嬉しい言葉
人気絵師は反応をもらうことに慣れているので、誰でも言えそうなコメントは埋もれます。
絵師さんが言われて嬉しい言葉、言われても響かない言葉を知っておいて損はないです。もちろん嘘や過剰に褒めるのはNG。正直な感想を伝える方法です。
私が実際に言われたものと言ったことをもとに書きます。
好き/可愛い/かっこいい/萌える/尊いなど
シンプルに嬉しい。これにアレンジを加えたものも嬉しいですね。
この中で一番効くのは「好き」。
やっぱり○○さんの絵は最高
「あなただからこの絵を描ける」という響きは余計に嬉しいです。
こだわりを見抜いて褒める
「こだわりを持つ絵描きは強い。ファンを作る方法」の記事で描いたように、人気絵師ほどこだわりを持って描いているものです。
そこを攻めれば落ちます(笑)
「○○さんの描く○○はいつも愛を感じる」とか言われたら、嬉しくない人はいないはずです。
本人も気付いていないような魅力も見つけて褒める
描いた方とは違った視点から見えるものを伝えると、貴重な意見だと思ってもらえます。
違う視点を持っていること自体がアピールになり、一目置かれることも。
絵師に言っても響かない言葉、嫌われる行為
上手いですね
「上手い」と言われて嬉しいのは、初心者や絵を普段描かない人くらいです。絵が上手い人ほど上手下手はどうでもよかったり、自分のことを下手と自覚している人が多いです。上手いかどうかの次元にいないんです。
「上手い」だけではなく「○○を描かせたら誰よりも上手いですね」のような、もう一歩細かい褒め方ならアリ。
「上手いですね」だけだと逆に失礼になることもあり使い方が難しいので、禁句にするのが無難です。
リクエスト乞食
- リクエスト募集中と言っていないのに、「○○を描いてください」と気安く言う
- おまけに「なぜ自分にこれを求めるのか」と疑問になるリクエストをする
これは絶対やってはいけません。理由は以下。
- 描くことを強要される気分
- 自分のことを理解してないと感じる(自分のファンではないと感じる)
- 時間を奪っているということに気遣いがない
当然嫌われます。
まとめ:好きな絵師と仲良くなって、思考をパクれ!
以上、好きな絵師の真似をするのがいい理由と、絵師と仲良くなるための方法でした。
好きな絵師と仲良くなると世界が広がります。わたしもネット上で知り合った憧れの人と仲良くなれるなんて、絵を始めた頃は想像もつきませんでしたが、現実にできちゃうんです。
神絵師を遠い存在と思わず、いつか絶対振り向かせてみせると意気込んでみてください。
独学の人は特に、誰か好きな人を見つけて繋がってみることをおすすめします。