最近「NFTアート」というのをよく聞くけど、あれって何?
1枚の絵で何百万も儲かるの!?自分もやってみたいけど、難しくて理解できない!
詐欺になるとか環境破壊とか言われるけど、安全なの?
絵師のみなさんは「NFTアート」気になりますよね。ググッてはみたけど、難しすぎてサッパリわからん…!と挫折した人も多いはず。
そんな、NFTアートのことが全くわからないという人が「ちょい知ってる」くらいになれる記事を書きます。全く参入する気がないという人でも、なにも知らないで批判すると恥ずかしいことになったりするので、ちょっとくらいは知っておいて損しません。
この分野は、正直一回調べたくらいで何もかもわかるほど簡単ではないし、今後が未知数です。2022年現在、自分はNFTアートをやったほうがいいのか、静観した方がいいのか、やろうと思っている人にどんな目を向けたらいいか、ざっくりと掴める記事にしました。
また、下の方で「二次創作のNFTアートを販売していいか?」についても答えます。
Contents
NFTアートの販売は絵師の自己責任で
結論から先に言うと、NFTアートをやるなら「何があっても自己責任」と理解した上でやりたい人だけやるべき。やらない人も、やる人を批判しないべき。
NFTアートを通して何かトラブルがあっても、誰も保障してくれません。
自己責任と思うと「自分には絶対無理だ」となる人は静観したほうがいいし、「そんなもんでしょ」と思える人は挑戦してもいいでしょう。
ただし、こう聞いて「えっやっぱりNFTアートって危険なんだ怖い!」と悪いイメージだけを持ち、やる人を批判するのだけはしないべきです。その理由も後述します。
わたしは先陣を切ってNFTアートに挑戦し、新たな絵師のあり方を作ろうとしている人たちを応援したい。
(わたし自身は二次創作絵師であり、かつお金が絡むと絵が描けないタイプなので今のところ絵師として参入予定なし)
NFTアートとは?絵師が理解を深めるには
NFTとはnon-fungible tokenの略称。日本語にすると「非代替性トークン」。
…日本語でも意味がわからないですね。
わたしなりに言い換えると、デジタル版の「本物の絵画」ってとこです。
例えば「画家の描いた本物の絵画」のコピーや偽物は、見た目が同じでも所詮コピーや偽物でしかなく、本物はこの世に一つだけですよね。そして本物を持っている人は自慢でき、他の人に高値で売れます。
それと同じで、NFTアートはデジタル版の「本物の絵」みたいなものです。替えがない、一点モノ。改ざんも不可。これをコピーした絵のデータは、見た目は同じでも、コピーはコピーでしかない。
デジタルの「本物」には制作者や過去の所有者が絵に記録されていきます。なので、デジタルとはいえ「本物」であることは記録されたデータを見るだけで明らかになります。その点で所有欲を満たせるアイテムとなり得ると言われます。
「NFTアート」は、「メタバース」という世界に飾ることができます。「メタバース」とは、デジタル上にもう一個地球を作りました、って感じのものです。仮想空間です。
また、本物の絵と同じように、他の人に売ることができます。価格が変動するので、投資の対象としても注目されています。
販売した絵師は、転売されるたびにロイヤリティを受け取ることができ、絵師の不労所得にもなり得ます。
絵師がNFTアートについて理解を深めるには、イラストレーターのさいとうなおき先生の動画が一番わかりやすいです。NFTアートに興味がある全ての絵師が見るべき。↓
以下、わたしなりに感じた絵師がNFTアートをやるメリットとデメリットについてまとめました。
絵師がNFTアートをやるメリット
- 莫大なお金、不労所得を稼ぐチャンス
- 今後の絵師のあり方を変える、夢がある
莫大なお金、不労所得を稼ぐチャンス
事実、有名な絵師でなくても一晩で数万〜数億万と稼いでます。
一枚の絵でガッポリ稼ぐ人も、一度に数千枚もの絵を販売して数千万円を稼ぐタイプの人もいます。
絵師にとって、短期間でこんなに稼げる方法は他にないですね。
しかも転売されるたびに自分にもお金が入るようにでき、不労所得にもなるわけです。
絵師にたくさんお金があるというのは、一気に稼いでしまったあとは好きな絵ばかり描いてのんびり生活というのも実現できるわけです。夢のようですよね。
(ただし今後参入者が増えたら、どうなるのでしょうね。)
今後の絵師のあり方を変える、夢がある
絵師は低く見られていると感じたことはないでしょうか。
例えば、タダで絵を描いていた人がお金をとるようになった途端、アンチが増えたり。
突然メッセージで、募集もしてないのにリクエストを送りつけてくる人もいます。当然のように無償で。
「もっと、絵師の価値は評価されていい。」NFTアートがお金儲けできるという事実は、そう願う絵師の今後のあり方に夢を与えてくれます。
先ほどのさいとうなおき先生の動画を見て一番いいなと思ったのは、夢を見せようとしてくれていることです。
絵師がNFTアートをやるデメリット
✔︎絵師がNFTアートをやるデメリット
- 今はまだNFTアートに批判的な人が多い
- 現状「いい絵」が高く売れるとは限らない
今はまだNFTアートに批判的な人が多い
2022年6月時点、少しずつ広まってきているもののNFTアートを批判的な目で見ている人がまだ多いのが現状。(去年よりはだいぶ減った気がする。個人の感想)
これから絵師がNFTアートを売るのが当たり前の時代がくるのか、来ないのかは誰にもわかりません。
ただ肌で感じるのは、NFTが十分に普及していない今やると絵師としてのブランディングには大きく影響するかと。
さいとうなおき先生も、TwitterでNFTアートをやると宣言しただけで炎上したそうで。
名もない底辺絵師がやるとしても、一定数の人から「こいつNFTアートやるんだ。うわぁ…」みたいな先入観で見られる覚悟は必須。残念ながら、今は。
純粋に絵を描くことを楽しめなくなるリスクがあります。
そういう人をスルーするスキルがない人は、NFTアートに手を出さず黙っていい絵を描くことだけ考えるほうが幸せになれるはずです。
NFTアートは現状「いい絵」が高く売れるとは限らない
NFTアートは、現状お金以外の「絵師として」嬉しいことがまだ少ないのかなと。
(あくまで、現状では、です。)
なので絵を描くモチベーションにしていいものなのか微妙です。
NFTアートを買う側の目的には、転売による利益というのもあるわけです。
pixivやTwitterで評価される絵が高く売れるわけではないです。実際に高値で売れているNFTアートを見ていると、「いいね」や「ブクマ」がたくさんつくタイプの絵とは何か違うのも多いですよね。正直「えっこれが〇〇万円…?」と思ってしまった人もいることでしょう。
高値をつける価値を感じられることと、「いいね」がたくさんもらえたり「この絵好き!」とコメントをもらえること、どっちが「絵師として」幸せかって、正直わたしは後者です。
ただ、今後メタバースが発展していけば毛色が変わっていく可能性はあります。なので「だからNFTアートなんかやるな」とは言えません。むしろ「俺がNFTアートのイメージを変えてやる」くらいの気持ちで参入する人が増える未来がきたら面白いなと思います。
pixivなどに絵を描いて評価されたりする喜びとは、違うものが得られる場となる可能性もありますよね。
わたしも自分の絵が有名人に高値で売られて飾ってもらったら、今までにない喜びを感じる可能性もあります。経験したことがないのでわからないだけかもしれません。
NFTアートのリスクとは?販売すると、詐欺や環境破壊になるのは本当?
「NFTアートをやるにはリスクがある」「NFTアートには手を出すな」などと言われます。
「リスクがあるならやりたくない…」
そう考えるのは人として正常です。そして、けしてこの記事ではNFTアートをやることを推奨しているわけではありません。
ただ「NFTアートはリスクがあるからやらないべき!やる人は悪!」と言うのは待ってください。まずはリスクと言われるものの「実態」を知ってから。
具体的に何がリスクと言われるかというと、下記の2つ。
- 環境破壊のリスク
- 購入者から詐欺として訴えられるリスク
これらは、本当なのでしょうか?
NFTアートは本当に環境破壊になる?
「NFTアートは環境破壊になるから、やる人は悪!」
ちょっと待ってください。
まず、NFTアートが環境破壊になると言われるのは下記の関係があるから。
NFTアートが増える→電力消費が増える→二酸化炭素排出が増える(=環境破壊)
これは事実。
ところが、ここから「NFTアートは環境破壊になるから、やる人は悪」となるのは間違いです。
なぜなら、この論理だと人間みんな原始人みたいな生活をしないといけません。
これは「車に乗ると二酸化炭素排出が増えるから、車に乗る人は悪!」と言うのと同じだからです。
「ゲームをやると二酸化炭素排出が増えるから、ゲームをやる人は悪!」
「スマホ、インターネットを使うと二酸化炭素排出が増えるから、スマホやインターネットやる人は悪!」
いや、みんなやってるやん。て話ですね。
なくても生命維持には問題ないのに、やりますよね。そして、それらがどの程度地球に影響するかとか普通考えないじゃないですか。
自分が消費する電力は棚に上げ、NFTアートをやる人だけが批判されるのは何か違うのではないでしょうか。
そんなに言うならどんだけ電力を消費するのか?どんだけ二酸化炭素出るんだ?と思いましたが、実際よくわかっていないそうです。実際のことはともかく、この段階で批判するのはやめるべきですね。
NFTアートは詐欺として訴えられる?
「NFTアートは詐欺として訴えられる可能性があるんでしょ?やる人は詐欺師!」
これも、ちょっと待ってください。
確かに、NFTアートをやって様々なトラブルに巻き込まれる可能性があるのは事実。
法律などで何かが保障されているわけでもなく、完全に自己責任です。
ところが、考えてみてください。
客と一切トラブルにならない商売って、存在するんでしょうか?
NFTアートを販売する以上、これは商売です。客とトラブルになる危険性はどんな商売でもあり、訴えられることもあります。
トラブルがあっても誰も保障してくれず自己責任でやる、そこを当然とわかってやっている人なら、他人にとやかく言われることはないです。
人間みんな、みんながやっていることはやれる。みんながやっていないこと、歴史が浅いことは怖くてやらず、やって利益を得る人に嫉妬し批判する。それが、NFTアートが批判される本質ではないでしょうか。
あと数年したらNFTやる人の方が当たり前になっていて、やらない人が「えっまだやってないの??」とか言われる未来がきたっておかしくないんですよ。
二次創作のNFTアートを販売するのはダメ?
二次創作のNFTアートを販売するのはダメなのか?という疑問。
結論、現状は原作側がNFTアートの販売を認めている作品以外はやめましょう。
理由は、原作側に迷惑をかける可能性があるからです。買う人、売る人の間だけで済むわけでなく、原作者という第三者を巻き込む以上「トラブルがあっても自己責任でならok」とは言えません。
また、【人気絵師が語る】pixiv fanboxに二次創作を公開しお金を儲ける行為はアリ!?で書いたようなマイナスもあります。
公式がガイドラインを出している場合、営利目的の二次創作は禁止しているものが多いです。NFTアートは営利目的ですよね。
基本的には「デジタルの二次創作同人誌をDLsiteなどで販売していいか?」という疑問と同じように考えたらいいと思います。やっている人はいるけど、どうなの?という話です。訴えられなくても「あいつ二次創作のNFTアートで金儲けしてるんだぜ」と後ろ指をさされるのは間違いないと思ったほうがいいです。
最近でもウマ娘の二次創作ガイドラインが更新されて話題になったりしましたが、突然ビクッとする出来事は起こり得るわけです。二次創作NFTアート売って生きてたら、ガイドラインが更新されて人生終了、とかいう最悪の状況を浮かべながら行動するべきです。
NFTに限らず、営利目的かどうかに関わらず、二次創作は原作側に訴えられた時点で終わりです。多くは黙認されているだけ。
多くを非営利目的で楽しませてもらっているだけで、ものすごくありがたいことです。原作側に迷惑をかける危険があることは避けましょう。
少ないですが公式が二次創作のNFTアートを公認している作品もあります(CryptoNinjaなど)。その場合は各々のガイドラインを確認後、堂々とやりましょう。
まとめ:NFTアートは自己責任と理解した上でやりたい人はやるべき。批判するべきではない。
以上、まとめると「NFTアートは現状、自己責任と理解した上でやりたい人はやるべき。やらない人もやる人を批判するべきではない。」ということです。
いずれ「NFTアートまだやってないの??」とか言われるフェーズに入ってもおかしくないと思って行動しましょう。批判していると、そんな未来が来た時に意地をはって我慢しなきゃいけなくなるので・・・。